COLUMNお役立ちコラム
2026.10.31
遠方に住みながら大阪の実家を売る手順|立ち会いは何回必要?
この記事では、東京など遠方に住みながら大阪市内の実家を売るときの手順を、順番どおりに整理します。何度も大阪に来なくても進められる部分と、現地での確認が要る部分を分け、相続登記の期限、家財が残ったままの扱い、売り方の選び方まで、遠方にお住まいの子世代の方が最初に知っておきたいことをまとめました。
親が暮らしていた大阪の家を相続したものの、ご自身は東京や名古屋など離れた場所に住んでいる。様子を見に行くだけで交通費と休日を使い、片付けに通う時間も取れず、契約のたびに来阪が要ると思い込んで着手できない。こうした状況は珍しくありません。実際には、遠方からでも進められる手続きは多くあります。大切なのは、「現地に行かないとできないこと」と「離れていてもできること」を分けて、順番を決めることです。
手順1:名義を確かめ、相続登記を済ませる
相続登記とは、亡くなった方の名義になっている不動産を、相続した人の名義に変える法務局での手続きです。2024年4月1日から義務化され、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請する必要があります。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になります。
2024年4月1日より前に相続した家も対象で、その場合の期限は2027年3月31日です。「親が亡くなったのは何年も前で、名義はそのまま」というご家庭は、この期限に当てはまります。相続登記は司法書士に依頼でき、書類のやり取りは郵送やメールで進められることが多いため、遠方にお住まいでも着手しやすい手続きです。相続人が複数いて分け方が決まらないときは、「相続人申告登記」という簡易な手続きで義務を果たす方法もあります。
手順2:家の状態を「写真と書類」で把握する
売却の相談をするうえで、家の状態を知っておくことは必要ですが、ご自身がすべてを現地で確認する必要はありません。次のものがあれば、離れていても相談は始められます。
- 外観、室内、前面道路の様子が分かる写真(以前に撮ったものでも構いません)
- 固定資産税の納税通知書など、手元にある不動産の書類
- 雨漏りや傾きなど、分かっている傷みの内容
- 家財が残っているか、どの程度残っているか
写真は、最近帰省したときのものや、親族に撮ってもらったものでも差し支えありません。当社では、家財が残ったまま、傷んだままの状態でも査定を行っています。片付けや修繕のために何度も通ってから相談する必要はなく、今の状態のまま話を始めていただけます。
手順3:放置している家の「税金の変化」を知っておく
遠方に住んでいると、実家の管理がどうしても行き届かなくなります。ここで知っておきたいのが、2023年12月13日に施行された改正空家法です。窓が割れている、雑草や樹木が茂っているなど、放置すれば特定空家になるおそれのある空き家が「管理不全空家」として、市区町村の指導・勧告の対象になりました。
勧告を受けると、固定資産税の住宅用地特例(小規模住宅用地は6分の1、一般住宅用地は3分の1)が外れ、土地の固定資産税が最大で約6倍になることがあります。遠方から様子を見に行けない期間が長くなりそうなら、管理を頼むか、手放すかを早めに考えておくと安心です。大阪市には空き家の相談窓口として、計画調整局 建築指導部 建築企画課(06-6208-8759)があります。
手順4:売り方を決める(仲介と買取)
家の売り方には、不動産会社が買主を探す「仲介」と、不動産会社自身が買主になる「買取」があります。「少しでも高く」を目指すなら仲介、「早く現金化したい」なら買取が基本的な考え方です。
遠方にお住まいの方の場合、この選択には「来阪の回数」という視点も加わります。仲介では、買主の内覧のたびに立ち会いや鍵の手配が必要になることがあり、売れるまでの期間も読みにくくなります。買取では、不動産会社が買主になるため内覧の対応が少なく、家財が残ったままの現状で引き渡せることが多くあります。
当社では、査定の場で仲介と買取の両方の金額をお出ししています。「この差額なら仲介で待ってもよい」「往復の負担を考えると買取で確定させたい」と、ご自身の基準で選んでいただけます。
税の特例も売り方に関わる
相続した古い家を売るときには、要件を満たせば譲渡所得から最大3,000万円を控除できる「相続空き家特例」があります。2024年1月1日以後の譲渡からは、買主が譲渡の翌年2月15日までに耐震改修または取壊しをした場合も対象になり、売主が事前に壊す必要がなくなりました。遠方から解体の段取りをしなくても、現状のまま売る道が開けています。適用期限は2027年12月31日までの譲渡で、昭和56年5月31日以前の建築であることなど要件が細かいため、適用できるかどうかは税理士・税務署にご確認ください。
現地での立ち会いが要る場面と、減らす工夫
遠方からの売却で気になるのが、「結局、何回大阪に行くことになるのか」です。査定のための現地確認、売買契約、引き渡しの決済など、節目ごとに現地対応が発生しうる場面はあります。ただし、依頼先との相談で、書類のやり取りを郵送で進める、鍵を預けて現地確認を任せる、契約や決済の日をまとめるといった調整ができることがあります。
ご相談の際には、「来阪できる日はいつか」「何回までなら来られるか」を先にお伝えいただくと、それに合わせた進め方を組み立てやすくなります。家財の片付けについても、ご自身で持ち帰りたいもの(権利証や通帳、写真や仏壇など)だけを先に取り出し、残りは残置物として引き渡す進め方であれば、通う回数を抑えられます。
まとめ
- 相続登記は義務。2024年4月より前の相続分は2027年3月31日が期限。司法書士との書類のやり取りは遠方からでも進めやすい
- 家の状態は写真と手元の書類で伝えられる。片付けや修繕を先に済ませる必要はない
- 放置すると「管理不全空家」として勧告を受け、住宅用地特例が外れることがある
- 仲介と買取の両方の金額を見て、価格だけでなく来阪の回数も含めて売り方を選ぶ
- 来られる日と回数を先に伝えると、進め方を組み立てやすい
株式会社RIGHT(ライト不動産)では、遠方にお住まいの方からの相続した実家のご相談を、電話とお問合せページで受け付けています。仲介と買取の両方の金額をお出しする無料査定は、写真と書類の情報から始められます。相談は無料で、秘密は守ります。お問合せページ、またはお電話(06-6625-7373・水曜定休)からご連絡ください。
出典
(2026年10月31日確認)
- 法務省「相続登記の申請義務化について」
- 国土交通省「空き家対策 特設サイト(管理不全空家と固定資産税の住宅用地特例)」
- 大阪市「大阪市の空家等対策について」
- 国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、個別の税務・法務の判断は税理士・司法書士・弁護士等の専門家にご確認ください。制度の内容は2026年10月時点のものです。