COLUMNお役立ちコラム
2026.10.31
住宅ローンが残っている家は売れる?残債と売却額の関係
この記事では、住宅ローンが残っている家を売れるのか、残債(ローンの残り)と売却額の関係で手順がどう変わるのかを整理します。「売却額が残債を上回る場合」「下回る場合」の違い、売る前に確認しておくこと、相続した家にローンが残っているときの注意点が分かります。
ローンが残っていても、家は売れる
住宅ローンが残っている家でも、売却はできます。ただし条件があります。ローンを借りている家には、金融機関の抵当権(返済が滞ったときに、金融機関がその家から回収できる権利)が付いています。買主に引き渡すときには、この抵当権を外す必要があり、そのためにはローンを完済していなければなりません。
つまり「売れるかどうか」は、売却代金と手元の資金でローンを完済できるかどうか、という問題に置き換わります。ここで分かれ目になるのが、残債と売却額のどちらが大きいかです。
売却額が残債より高い場合
売却額が残債を上回っていれば、手順は比較的シンプルです。買主から受け取る売却代金でローンを完済し、同じ日に抵当権を外す登記(抵当権抹消登記)を行って、買主に引き渡します。決済の日に、金融機関・司法書士・買主・売主が揃って手続きを進めるのが一般的な流れです。
完済後に残った差額が、売却で手元に残るお金の元になります。ここから仲介手数料などの費用を差し引いたものが実際の手取りです。費用の全体像は別の記事で扱っていますので、ここでは「残債を引いた残り」が出発点になる、と覚えておいてください。
売却額が残債より低い場合
売却額だけではローンを完済できない場合、そのままでは抵当権を外せず、引き渡しができません。不足分を預貯金などの自己資金で埋めて完済できれば、上と同じ手順で売却できます。
自己資金でも足りない場合は、ローンを借りている金融機関との相談が要ります。売却の可否や条件は金融機関の判断によるため、当社が「こうすれば売れます」と断言することはできません。この段階で大切なのは、金融機関に相談する前に、正確な売却額の見通しを持っておくことです。見通しがないまま相談すると、話が具体的に進みません。「仲介で売るとこのくらい」「買取ならこの金額」という2つの数字を持って相談すれば、金融機関側も検討しやすくなります。
売る前に確認しておく3つのこと
1. ローンの残高
金融機関から届く返済予定表や残高証明書で、現在の残債を確認します。繰り上げ返済や借り換えをしている場合は、金融機関に最新の残高を照会するのが確実です。夫婦で借りている、複数の借入がある、といった場合は、すべての残高を合計して考えます。
2. 売却額の見通し
残債と比べる相手になるのが売却額です。当社では、査定の場で「仲介で売った場合の見込み額」と「当社が買い取る場合の金額」の両方をお出ししています。仲介は時間をかけて高く売ることを目指す方法、買取は早く確実に現金化する方法です。残債との差が小さい家ほど、この2つの数字を並べて見ることに意味があります。
3. 売却にかけられる期間
返済を続けながら仲介で買主を待てるのか、返済が負担になっていて早く区切りを付けたいのかで、選ぶ方法が変わります。返済に不安が出てきている場合は、滞る前に金融機関と当社の両方に早めに相談しておく方が、取れる選択肢が多くなります。
相続した家にローンが残っているとき
親が亡くなり、住宅ローンが残った家を相続することもあります。この場合、ローンの扱いは契約内容や保険の有無によって変わるため、まず金融機関に「残高がいくらか」「相続でどう扱われるか」を確認してください。そのうえで、相続登記(2024年4月から義務化。相続を知ってから3年以内、2024年4月1日より前の相続は2027年3月31日まで)を進めながら、売却額の見通しを立てていく流れになります。
相続した家は、住む人がいないまま空き家になりやすく、返済と固定資産税の負担が同時に続きます。売るか残すかを決めるためにも、残高と売却額の2つの数字を早めに揃えておくことをおすすめします。
まとめ
- 住宅ローンが残っていても家は売れますが、引き渡しまでに完済して抵当権を外す必要があります
- 売却額が残債より高ければ、売却代金で完済して引き渡す流れです
- 売却額が残債より低ければ、自己資金で埋めるか、金融機関との相談が要ります
- 残高と売却額の見通しを先に揃えることが、どの場合でも出発点です
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出典
(2026年10月31日確認)
本記事は一般的な情報の提供を目的としたもので、個別の税務・法務の判断は税理士・司法書士・弁護士等の専門家にご確認ください。制度の内容は2026年10月時点のものです。